どうなっているのかな?雷対策

 

 

 

雷は季節に関係なく発生しますが、私たちが住んでいる日本海側では、特に冬に発生する雷はエネルギーが大きく、直接高い構造物に落ちやすいと言われています。通常、「雪起こし」などと呼んでいるものがこれにあたります。ここでは、そんな雷に対し、北条町の風車はどうやって被害を防ごうとしているのか検証してみます。

 

 

 

 

対策

 

 

 「風車への落雷を完全に防ぐ」。このことは現実的には難しいと言われています。そのため、少しでも雷被害を防ごうと北条町の風車では様々な工夫をしています。

 

1)落雷を防ぐために

 

 

 地表面に建物や樹木など何もない状態でも雷は落ちます。では、なぜ建物などの構造物ができるとそこに雷がよく落ちるのでしょうか。それは、建物など、伝導性のあるものが雷雲に近くなるからです。また冬場は雷雲の高度が低くなり、特に注意が必要です。そこで北条町の風車はブレード(羽根)を非伝導性の材質にし、なるべく雷が落ちないように対策をとっています。

 

2)もし運悪く落ちてしまっても

 

 

 建物などではよく「避雷針」が設置されています。屋根の上に突き出ている鉄柱などが避雷針です。これは、雷の落ちやすい場所をあらかじめ作ってそこに導き、大事な建物を守る働きをします。
 北条町の風車には、ブレードの先端にレセプター(受雷部)を取り付けて雷電流の流れ道をあらかじめ作っています。また、ナセル(タワーの上部にある発電機)にも避雷針を設置しています。

 

 

3)落ちた雷の電流を素早く地表に流す

 

 

 

 避雷針で受けた雷の電流は素早く地表に流し、強い電流を分散する必要があります。これは電気の抵抗をいかに少なくするかにかかってきます。
 そのために、いくつかの対策をとっていま
す。まず、表面積が大きく電流を地表に素早く流すのに優れた針付電極という特殊な電極を設置します。また、この針付電極の他にも、風車を支えるための基礎杭を電極としても利用します。さらに、電流を素早く分散させるための接地線を碁盤の目のように張り巡らし、風車九基の接地線をつなぎ、広い範囲に分散させます。これにより、電流を素早く分散させるために必要な二オーム以下の接地抵抗に抑えるようにしています。

 

 

一般家庭への影響

 

 

 「風車に雷が落ちたら家に影響があるのでは…」と心配される方もあることでしょう。通常、電柱などに雷が落ちた場合、電線をつたって家庭の電化製品などに被害が起こることがあります。しかし、北条町の風車に万が一雷が落ちても、風車の電線は直接みなさんの家庭の電気にはつながっていないため、被害はないと考えてます。