角丸四角形: Q1:市町村合併を控える今、急いで建設する必要はないのではないか。風力発電Q&A

 

 

 

A1:主に次の点を考えて、建設するなら今しかないという判断をしました。

  ○中国電力管内では、まだ風力発電が本格的に行われていないため、高い単価で買ってい

   ただけますが、これから先、風力発電が盛んになっていくと電力の単価がどんどん下が

   っていきます。

  ○借入金利が今後、どんどん上がっていくことが予想されます。1%あがれば、15年間

   で2億5千万円の利払いが増えます。

  ○NEDOの補助率がどんどん下がっていきます。また、新エネルギーに関する国の方針

   が変わったことにより、NEDOの補助自体がなくなる可能性もあります。

 

角丸四角形: Q2:なぜ、1・2基ではなく30億円以上もかけて9基風車を建設しなければならないのか最初は小さい規模にして様子をみてもいいのではないか。 

 

 


A2:町内にある送電線(普通の電柱)につなげるのは2000kwまでで、それ以上は羽合町

天神浄化センターのところにある高圧送電線につなげなければなりません。その費用に5億円

以上が必要で、その費用を含めた額を売電収入でまかなうには、1500kw風車9基以上の発電

量が必要になります。最初に1基(2000kw以内)を建て、次で増やすという方法ができない

ことはありませんが、増やすために売電単価の再契約・NEDO補助金で条件が不利になること

に加え、配線など最初の投資が不要になるため、北条町は9基の選択をしました。

 

角丸四角形: Q3:とても採算がとれるとは思えない。採算がとれるようであれば、企業がどんどん事業を進めていると思うが。 

 

 


A3:企業が風力発電事業を行うと、“税金”が課せられます。また利益も必要です。北条町の

平均風速は5.68m/s2001年)と中程度であるため、企業が税金を払って更に利益を残すこと

は難しいようです。北条町地域エネルギー研究会の試算によると、民間が風力発電を行う場合、

 ○資本金:146百万円

 ○固定資産税:課税標準価額×1.4% 17年間で  340百万円

 ○法人税等 :課税所得×40.87% 17年間で  463百万円

 ○配当   :配当比率5%      17年間で   98百万円

                   合 計   1,047百万円

の経費が余分にかかります。

町が事業主体の場合、税金を払う必要はありませんから、十分に採算が見込めるということです。

 

角丸四角形: Q4:大きな事業でリスクを負うことになる。なぜ北条町が風力発電事業をしなければならないのか。民間、国や県にまかせればいいのではないか。 

 

 


A4:地球の化石燃料には限りがあります。またCOの排出による温暖化などで地球環境も

年々悪化しています。“自分がやらなくても人に任せておけばいい”ということではなく、環

境面で他をリードしていくような自治体を北条町は目指しています。

 

角丸四角形: Q5:風車が回ると大きな音がすると聞いている。近くの民家に影響がでないか。 

 


A5:風が吹かないとき風車は回りませんから音は出ません。風車がまわると最大100db程度

の音が出ますが、風の音、木々の揺れる音と混ざってしまうため、300m以上離れるとほとん

ど風車の音は聞こえなくなります。風車を設置する場所から民家まで300m以上距離をとる予

定ですし、9号線を走る車の音、日本海の波の音によって風車の音は民家までほとんど届かな

くなるということが計算上予測されています。

 

角丸四角形: Q6:野鳥の会の指摘を受け、建設地の野鳥調査をしているが、調査の結果で事業ができなくなる恐れはないのか。 

 

 


A6:1年間野鳥調査を行い、その後野鳥の会鳥取県支部と協議することになっています。貴重

な渡り鳥が、風車が回転する位置を多数飛んでおり、衝突するおそれがあるという調査結果に

なれば建設が難しくなります。ただし、これまでそういった事例がなく、北条町の風車だけに

多数衝突するという結果になる可能性は低いのではないかと思っています。絶滅危惧種の生息

地となると、それだけで建設はできませんが、そのようなこともないようです。

 

角丸四角形: Q7:中国電力は15年間同じ金額で電気を買ってくれる契約だそうだが、中国電力の経営状況によってそれを変えられることはないのか。また15年を過ぎたら、単価はどうなるのか。 

 

 

 


A7:“契約”ですので、そのようなことはありません。ただし、15年を過ぎたら、新たな

売電契約を締結しなければなりません。そのときになってみないと単価がどうなるのか分か

りませんが、単価が大きく下がっても採算に影響しないように、借入金の返済は15年で終

わる事業計画にしています。

 

角丸四角形: Q8:風車はいつまで使えるのか。使えなくなったらどうするのか。 

 


A8:風力発電機の耐用年数は20年と考えられています。そうなったときの方針は決定し

ていませんが、風車の支柱(タワー)や送電設備はまだ使えますので、発電機等を取り替

えて、事業を継続していくのが普通と思われます。そのときの電力事情、財源等により方

向は大きく変わってくるでしょう。なお、どうしても継続ができない場合、概算ですが、

撤去費用に1億円〜2億円程度、必要となるようです。

 

角丸四角形: Q9:風車の建設によって、私たち町民になにか恩恵はあるのか。 

 


A9:環境にやさしいエネルギーを作り出し、地球環境に貢献することが一番の目的ですの

で、電力料金が安くなるなどの直接の恩恵はありません。しかし、誇れる施設が町内にでき

ることによって、北条町の新しい特徴となると思いますし、環境に意識の高い企業の誘致な

ど地域振興にも役立つことが期待されます。また、風力発電で得た財源を活用して町の活性

化のための事業を行うことも可能になると思います。なお、風車に愛着を持っていただくた

め、町民債の発行も検討しています。

 

角丸四角形: Q10:建設後、不測の事態が発生し、借金が返せなくなった場合どうなるのか。元利金が30億ほど必要になると思うが、どうするのか。 

 

 


A10:ある程度のリスクを見込んで収支を計算していますし、火災、雷、風水害などの災害

には保険で対応することにしています。また、地震については、液状化対策などもきちんと

行いますので、心配はないものと考えています。元利金30億円が返済できなくなるという

ことは、建設後すぐに「戦争によって9基すべてが破壊される」、または「風がいっさい吹

かなくなる」というような、場合しか考えられません。

 今後、災害時、故障等の休止があっても、その間の収入を補てんするような保険の加入な

どについて検討していきたいと思います。

 なお、5年後の収支を見て、もしも採算が悪い場合には、県が何らかの支援をすることも

約束されています。