○北栄町環境基本条例

平成18年12月21日

条例第40号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策(第8条―第22条)

第3章 地球環境の保全への取組(第23条)

第4章 環境審議会(第24条―第32条)

附則

私たちの北栄町は、白砂青松の美しい海岸とみどり豊かな豊穣の大地に恵まれ、人々は、その中で心豊かに人生を送り、文化を育み、長い歴史を築いてきました。この環境は、町民すべての貴重な財産であり、健康で文化的な生活を営むうえで欠くことのできないものです。そして、私たちは、このすばらしい環境を将来の世代に引き継ぐ責務を担っています。

しかし、今日の社会経済活動の拡大や資源浪費型の生活形態は、生活の利便性を高める一方で、環境への負荷を急速に増加させ、身近な地域の自然環境や生活環境のみならず、すべての生物の生存基盤である地球環境にまで大きな影響を及ぼしてきています。

私たちは、このような現状を認識したうえで、より良好な環境を将来の世代に引き継いでいくためのシンボルとして風車9基からなる風力発電所を建設しました。風を受け、朝な夕なに回る風車は、私たちに身近な環境について考えさせるとともに、将来にわたって恵み豊かな環境の中で幸せに暮らせる持続可能な社会の実現について考えさせてくれます。

私たちは、人と自然との共生と資源の循環を基本とした、一人ひとりの行動と連携により、町の自然、歴史、文化等地域の特性を生かした環境の保全と快適な環境の創造に努めるとともに、光と水と風の織りなすより良好な環境を将来の世代に引き継いでいくことを決意し、ここに条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、健全で恵み豊かな環境の保全及びゆとりと潤いのある快適な環境の創造(以下「環境の保全及び創造」という。)について、基本理念を定め、町、町民及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来にわたって町民が健康で安全かつ快適な生活を営むことができる良好な環境の確保に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれがあるものをいう。

(2) 「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生動物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に対する環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに町民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(3) 「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全及び創造は、次に掲げる基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、推進されなければならない。

(1) すべての町民が健康で安全かつ快適な生活を営むことができる良好な環境を確保し、これを将来の世代へ継承していくこと。

(2) 環境資源の適正な管理及び循環的な利用を図るとともに、エネルギーの有効利用を図り、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の実現を目指すこと。

(3) 環境の保全及び創造は、人と自然との共生を図るとともに、地域の地理的特色を生かしつつ、すべての日常生活及び事業活動において、町、町民及び事業者の公平な役割分担の下に協力して積極的にこれを推進しなければならない。

(4) 地球環境保全は、人類共通の課題であり、すべての者がこれを自らの問題として認識し、日常生活及び事業活動における着実な取組により積極的に推進しなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、前条に定める基本理念にのっとり、環境の保全及び創造に関し、地域の地理的特色を生かした基本的かつ総合的な施策(以下「環境施策」という。)を策定し、及び実施しなければならない。

2 町は、環境施策の策定及び実施において、環境の保全及び創造を優先し、環境への負荷の低減その他必要な措置を講じなければならない。

3 町は、町民及び事業者の自主的な環境の保全及び創造に関する取組を支援するとともに、これに協力するように努めなければならない。

(町民の責務)

第5条 町民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活において、資源の循環的利用、エネルギーの有効利用、廃棄物の発生又は排出の抑制等を行い、環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、町民は、環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、町又は事業者が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力するように努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動において生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講じなければならない。

2 事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動において、製品その他の物が廃棄物となった場合に、その適正な処理が図られるように必要な措置を講じなければならない。

3 前2項に定めるもののほか、事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動において、資源の循環的利用、エネルギーの有効利用、廃棄物の発生又は排出の抑制等を推進するとともに、製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、製品及び役務等を利用するように努めなければならない。

4 前3項に定めるもののほか、事業者は、その事業活動において、環境の保全及び創造に自ら積極的に努めるとともに、町又は町民が実施する環境の保全及び創造に関する施策に積極的に参画し、及び協力するように努めなければならない。

(年次報告の作成)

第7条 町長は、毎年、環境の状況、環境の保全及び創造に関する施策の実施状況等を記載した年次報告を作成し、これを公表するものとする。

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策

(環境施策の基本方針)

第8条 環境の保全及び創造に関する施策の策定及び実施は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本的な方針として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行わなければならない。

(1) 人の健康が保護され、生活環境及び自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

(2) 森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が体系的に保全されること。

(3) 人と自然とが共生し、豊かな触れ合いが保たれること。

(4) ゆとりと潤いのある快適な環境を創造するため、水や緑を生かした施設の整備、地域の特性を生かした良好な景観の確保に努めること。

(5) 環境資源の適正な管理、資源の循環的利用、エネルギーの有効利用、廃棄物の発生及び排出抑制等を徹底することにより、資源循環型社会が構築されること。

(6) 地球温暖化の防止、オゾン層の保護等の地球環境保全が推進されること。

(環境基本計画)

第9条 町長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めるものとする。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全及び創造に関する目標及び施策の方針

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 町長は、環境基本計画の策定において、町民及び事業者の意見が反映されるように努めるとともに、北栄町環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 町長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(施策の策定等においての環境への配慮)

第10条 町は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施において、環境基本計画との整合を図るとともに、環境への負荷の低減並びに環境の保全及び創造について配慮しなければならない。

(環境影響評価の推進)

第11条 町は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施において、あらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮するため、必要な措置を講じなければならない。

(規制の措置)

第12条 町は、人の健康、公害又は生活環境に係る環境の保全上の支障を及ぼす行為又は生ずるおそれのある行為に対し、必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。

(助成措置)

第13条 町は、町民及び事業者が行う環境への負荷の低減その他の環境の保全及び創造に関する活動を促進するため、予算の範囲内において助成等必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(施設整備等の推進)

第14条 町は、環境の保全及び創造のための公共的施設の整備について必要な措置を講ずるものとする。

(資源の循環的利用等の促進)

第15条 町は、環境への負荷の低減を図るため、町民及び事業者による資源の循環的利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の発生及び排出抑制等が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

2 町は、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、製品及び役務等の利用が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

3 町は、環境への負荷の低減を図るため、町の施設の建設及び維持管理その他の事業において、資源の循環的利用、エネルギーの有効利用に努めるものとする。

(町民等の参加)

第16条 町は、環境の保全及び創造に関する施策の実施において、その施策を効果的に推進するため、町民、事業者又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)の参加、協力等が得られるように努めなければならない。

(環境教育及び環境学習の推進)

第17条 町は、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の推進並びに広報活動の充実により、町民、事業者及び民間団体等が環境の保全及び創造についての理解を深めるとともに、自らが活動を行う意欲が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

(町民等の自発的な活動の促進)

第18条 町は、町民、事業者又は民間団体等が、自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

(情報の提供)

第19条 町は、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の推進並びに町民、事業者又は民間団体等が自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動の促進に資するため、環境の状況等に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。

(調査研究の実施等)

第20条 町は、環境の保全及び創造に関する施策の策定及び推進に必要な調査研究の実施及び情報の収集に努めるものとする。

(監視等の体制の整備)

第21条 町は、環境の状況を把握し、及び環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するために必要な監視、測定等の体制の整備に努めるものとする。

2 町は、町民、事業者及び民間団体等と連携し、環境の保全及び創造に関する施策を計画的かつ効果的に推進するために必要な体制の整備に努めるものとする。

(広域的連携)

第22条 町は、環境の保全及び創造を図るため、広域的な取組を必要とする施策について、国、県、他の市町村及びその他の関係機関等と連携してその推進に努めるものとする。

第3章 地球環境保全への取組

(地球環境保全の推進)

第23条 町は、地球温暖化の防止、オゾン層の保護等の地球環境保全に資する施策を推進するものとする。

2 町は、地球環境保全に関する施策の実施において、国、県、他の市町村及びその他の関係機関等と連携し、国際協力に貢献できるように努めるものとする。

第4章 環境審議会

(設置)

第24条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき北栄町環境審議会(以下「審議会」という。)を置き、次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 環境基本計画に関し、第9条第3項に規定する事項

(2) 町長の諮問に応じ、環境の保全及び創造に関する基本的事項及び重要事項

(組織)

第25条 審議会は、委員10人以内で組織する。

2 委員は、環境の保全に関し学識経験を有する者その他町長が適当と認める者のうちから、町長が委嘱し、又は任命する。

(任期)

第26条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

(会長及び副会長)

第27条 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によってこれを定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第28条 審議会の会議は、会長が招集し、会長が議長となる。

2 審議会は、在任委員の半数以上が出席しなければ、会議を開くことができない。

3 会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは議長の決するところによる。

(関係者の出席要求)

第29条 審議会は、必要に応じ関係者の出席を求め、意見を聴くことができる。

(部会)

第30条 審議会に専門の事項を研究討論するため、部会を置くことができる。

2 部会に属すべき委員は、会長が指名する。

(庶務)

第31条 審議会の庶務は、環境エネルギー課において処理する。

(委任)

第32条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、町長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(北栄町環境審議会条例の廃止)

2 北栄町環境審議会条例(平成18年北栄町条例第5号)は、廃止する。

(平成22年3月25日条例第2号)

(施行期日)

1 この条例は、平成22年4月1日から施行する。

(平成24年3月28日条例第3号)

(施行期日)

1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。

(令和2年3月18日条例第1号)

(施行期日)

1 この条例は、令和2年4月1日から施行する。

北栄町環境基本条例

平成18年12月21日 条例第40号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第5章 環境保全
沿革情報
平成18年12月21日 条例第40号
平成22年3月25日 条例第2号
平成24年3月28日 条例第3号
令和2年3月18日 条例第1号