北条砂丘大規模風力発電所シミュレーション２の前提条件
（２,０００kＷ　×　１５基）

「風力発電機の規模と設置場所」
・北条砂丘における風況精査から、北条砂丘において最も発電量が得られるのは西南西方向であることが分かった。
・NEDOの「風力発電導入ガイドブック」によると、卓越風向と直角方向に風力発電機を並べるときは、ローター直径の３倍以上の距離をとる必要があるとしている（卓越風向と平行に並べるときは、ローター直径の１０倍以上の距離が必要）。
・北条町の国道９号線沿い（東西方向）に風力発電機を複数台並べると仮定すると、その距離は約６ｋｍであり、隣あった風車の間隔を約４００ｍと仮定し、１５基の風車を設置すると仮定する。
・規模を大きくするために、出力２,０００ｋWの風力発電機を設置することを仮定する（ハブ高さを１００ｍと仮定して設備利用率を算定。設備利用率とは発電機が最大出力で１年間稼動した取得電力量に対する実際の風況による取得電力量の率。）。

「出力２,０００ｋW風力発電機の諸元」
定格出力：２,０００ｋW
ローター直径：８０ｍ
カットイン風速：４ｍ/ｓ
定格風速：１５ｍ/ｓ
カットアウト風速：２５ｍ/ｓ
ハブ高さ：１００ｍ（６５ｍ〜１００ｍで選択可能）

「事業計画」
・規模：出力２,０００ｋW風力発電機を１５基設置（総出力３０,０００ｋW）。
・事業期間：１７年（内、建設期間１年６ヶ月）
・減価償却期間：１７年
・収入は発電電力の中国電力への売電料（売電単価１１円/ｋWh）

「初期投資」合計７,３８１百万円
・建設費：６,７５０百万円
・建物取得税（建設費×４．０％）：２７０百万円
・建物登録免許税（建設費×０．６％）：４１百万円
・建設期間中金利：２３０百万円
・抵当権設定登記（民間長期借入金×０．４％）：２０百万円
・開業費（売電収入×１０％）：６９万円

「建設費の内訳」合計６,７５０百万円
・風力発電機（２,０００ｋW）：１基当たり３５０百万円
・送電線（埋設）：１,２００百万円（２００百万円/ｋｍ×６ｋｍ）。
・トランス、遮断機、遠隔制御装置：合計３００百万円。

「資金調達」合計７,３８１百万円
・自己資金：３６９百万円（５％）
・補助金（NEDO地域新エネルギー導入促進事業、補助率１/３×０．８）：１,９５０百万円
・日本政策投資銀行（融資比率４０％、返済年数１５年以内（内据置３年以内）、元金均等返済、金利２．２％）：２,７２８百万円
・ＮＥＦ（地域エネルギー開発利用発電事業普及促進融資、返済年数１０年以内、金利１．７％）：４００百万円
・中小企業金融公庫（石油代替エネルギー資金、返済年数１５年以内（内据置２年以内））：７２０百万円（内２７０百万円について金利１．７％、４５０百万円について金利２．１５％）
・民間長期借入金（返済年数１５年（内据置１年）、金利６％、元金均等返済）：１,２１４百万円

「収入」
・収入は発電電力の売電のみ。
・発電所の設備利用率：２４％
・発電電力は１ｋWhにつき、１１円で売電。
・１年間の売電収入：
３０,０００ｋW（発電機の総出力）×２４％（設備利用率）×８７６０時間（１年間）×１１円/ｋWｈ＝６９４百万円。
・施設の運転：施設の運転可能な時間（施設稼動率）については、調整及びメンテナンス等による運転停止のため、２年目は７０％、３年目は以降は９０％と仮定。各年における売電収入は、６９４百万円に各年の施設稼働率を掛けた金額となる。

「支出」
・一般管理費：３００千円/月・人×１．４×３人×１２ヶ月＝１５,１２０千円
・火災保険料（建設費の０．１５％）：６,７５０百万円×０．１５％＝１０百万円
・建物公租公課：課税標準価額（初年度は建設費）の１．４％（３年間は５/６に免除）
・施設管理費用：５００千円/月×１２ヶ月＝６,０００千円
・法人税等：課税所得の４０．８７％
・下記修繕費

「修繕計画」
・メンテナンス：１年毎に２,０００ｋW風車１基当たり１百万円。
・セミオーバーホール：５年に一回、壊れている、いないに関わらず、コンディションを初期状態にセッティングすることが必要。２,０００ｋW風車１基当たり２百万円。

「オーバーホール」
・一般的な風力発電機の耐用年数と考えられている２０年が経過すると、発電機の本体であるナセルを交換することが必要と予想される。建設から２１年以降に事業を継続する場合には３０億円程度の追加投資が必要と予想される。これは、本シミュレーションにおいては計上していない。

「利益処分計画」
配当なし。





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