北栄 やさしい風のふくまち

北栄散策 歴史・文化財(4)

國坂神社 MAP B-7

北栄町国坂にある式内社で、主祭神は少彦名神。平安時代初期に集成された「延喜式」の神名帳に、伯耆国六座の4番目に記載されている。伯耆の国では、波々伎神社・大神山神社と共に最も古く、四宮大明神と称し敬われてきた。

1868年(明治元)國坂神社と改められ「四宮さん」と呼ばれ今日に至る。國坂神社社叢は町指定の保護文化財。

高江神社 MAP B-3

高江神社本殿は1876年(明治8)に建立。社殿の建築様式は千鳥唐破風付き単属で、平入2間2面の流れ造り。総欅造りの堅牢かつ壮麗なものである。梁や桁には装飾をほどこし、幣殿2坪5合、廻廊1坪5合で、縁の高さは1.5mくらいある。彫刻は、拝殿に続く本殿の向排、本殿の周囲に取り付けられ、波、鳥、唐草、雲、牡丹等が題材となっている。

今では高江神社の秋祭りに奉納される「由良だんじり」。江戸時代、由良宿に置かれた藩倉から年貢米を積み出す千石船を祈願した祭りで、稚児と太鼓を乗せた屋台が由良宿内を練り歩く。

高尾八幡宮 MAP D-2

西高尾にある神社で、祭神は誉田別尊(応神天皇)など。884年(元慶8)に岩清水八幡宮別宮、種八幡宮として勧請され、藩政期には藩主池田家の祈願所として崇敬された。現在の社殿は明治時代中頃に東高尾と西高尾が競って寄進し、石垣の石の積み方や末社の拝殿などそれぞれの受け持ちによって違いが見られる。

境内で出土した経筒は平安中期のものと言われ、町の文化財に指定され、現在は県立博物館に寄託されている。また、10月15日に行われる神幸祭は多彩で、猿田彦、鎧武者、神輿等、氏子総出演で賑わう。

ゆら市

冬の間に作った農具などを売った桑苗農具市が始まりとされる「ゆら市」。大正11年から続いており、農具や手かごなどの竹製品、刃物類や種苗などを売る露店が並ぶ。

最近は時代に合うように工夫され、フリーマーケットや地元の芸能発表、さらに子ども向けのイベントなどが盛り込まれていて、町内外から大勢の人で賑わう。

大栄歴史文化学習館 MAP A-4

六尾反射炉をデザインした建物が特徴的。館内には、由良台場や六尾反射炉の模型・農具・民俗資料・埋蔵文化など、旧大栄町の歴史や文化、約150点が展示されている。

また、日本で唯一「名探偵コナン」に会える館として、コナンに関するあらゆるものを展示するコーナーがあり、毎日多くの観光客が訪れている。

本施設は、2007年(平成19)3月中旬に北栄町出身の名探偵コナンの原作者、青山剛昌氏の体験型記念館「青山剛昌ふるさと館」としてリニューアルオープン予定。


北条歴史民俗資料館 MAP B-7

「砂丘開拓のあゆみ」を常設展示し、砂丘地ならではの語り草である“嫁ごろし”など、約250年前からの先人の不撓不屈の歴史を観ることができる。

また縄文時代の島遺跡をはじめ、弥生・古墳時代の出土品から、この地方ならではの民具・農具を展示。

町出身の前田寛治の作品を鑑賞することもできる。



(鳥取県立博物館蔵)

前田寛治
[1896―1930年]
北条町国坂に生まれる。
1916年 東京美術学校に入学し、藤島武二に師事する。
1920年「砂丘社」の創立に参加し、先進的な気迫を導入した文化活動を展開した。
1922年 パリに留学。
1926年には若手画家仲間と「1930年協会」を創設。新写実主義を提唱し、後進の育成にもあたった。
帝展では2度特選を受賞後無鑑査となり、1929年には帝国美術院賞に輝いた。



鹿埴輪(土下古墳)

「竜巻」大正12年(1921)
油彩 98×135㎝
(北条歴史民俗資料館蔵)

「花」昭和4年(1929)頃
油彩 61×46㎝
(北条歴史民俗資料館蔵)